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- 2026/01/22(木) 07:04:31|
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*ブレイク×ギルバート
*
彼方の為に祈りましょう
【Agnus die】
シーツに投げ出された両の白い手。
触れれば冷たく、死体のようでさえある。しかしその手に自らのそれを重ねれば緩く指を絡められた。彼は確かに生きている。
「お前、その体温何とかならないのか」
「自分ではどうしようも無いですネ」
今晩はよく冷える。世間は礼拝だの何だのと忙しい日ではあるが信仰が無ければさして意味はない。ベッドには盲いた男が横たわっている。口元に薄っすらと笑みを浮かべ、意外にも今日と言う余暇をそれなりに楽しんでいるようだ。
「君は外に行かなくていいのですか?」
「オズなら他の奴らと街へ出ている」
「放っておいても?」
「心配ない」
根拠はないが確信はある。チェインとの契約者がついているのだからおおよその心配はないだろう。しかし実際の所出掛けようとは思ったのだ。だがいざとなってこの男の姿が見当たらなかった。探して見れば珍しく大人しく部屋に居た訳だ。
「寒いのは嫌デス」
という爺くさい文句を聞いて、何故だか此方まで出かける気が失せた。オズたちには上手く言ってこの男と二人で留守番となった。楽しくは無い。だが、かといって悪い気分でもなかった。
「…年取ったなお前は」
「そりゃー君に会った時から既にそうですもん」
「そうだったな」
会話としては余りに拙い。しかし先程から繋がれたままの指がその空間を穏やかにしている。窓の外は既に暗闇だ。何処までも際限がない。だが部屋の蝋の灯りで白く舞うものが微かに見えた。
「お、雪だ」
「そういえば、彼女も白い髪をしていましたネ」
「…アヴィスの意思か?」
「そう。ふーむ、『この状態』で彼女に会ったとして分かりますかねぇ」
「向こうから飛びついてくるんじゃないのか?」
「そんなキャラでしたっけね…まぁいいです」
雪と聞いて寒くなったのか彼は布団を引き上げた。暫し黙って窓の方向を見つめている、様に見えた。すると彼は小さく笑った。
「君は私の手が冷たいと言ったが、君も人のこと言えないですね」
「し、仕方ないだろう」
「…自分が温めるとか気の利いたこと言えないんですカ君は」
「……は?」
にやりと口元を上げた顔が此方を見ている。どういうことかを脳が高速で考え出し、自分だけ体温が急上昇していくのが分かった。意図せず視点がきょろきょろと彷徨い出す。分かっていてもこればかりは止めようがない。
「ふむ、私が年寄りになっても君はまだ子供でしたか」
「う、…うるさい!」
流れが自然すぎて意図も簡単にからかわれたのだと知り更に居た堪れなくなった。外見は同年代だがあくまでも彼は年長者。適わない面が多かろうが、何か一つでも上を行きたいものだと切実に思う。
「ギルバート君」
「な…何だ」
「私を温めてくれませんか?」
絶句した。というより単純に恥ずかしかったのかよく分からない。ただそれ以上に彼の表情が真面目である事に動揺していた。
「見ての通り私は殆ど君が見えない。だから、君がリードして下さい」
「な、待てそれは…」
「無理ですか?」
「………」
一応男だ(向こうもだが)。こんな事を言われてあっさり引き下がることは出来ない。意を決し、絡めていた指を一旦離してシングルベッドへと手を掛けた。
自らの衣服へと手を掛ける。彼の目の前で自ら肌を晒すのは初めてだった。どうしようもない羞恥心を抱えながら、彼には見えていないのだと脳に言い聞かせて何とか耐えた。
「何時まで照れてるつもりです」
「う、うっさい黙れ」
眼下の男がぼそりと呟いた。枕に背を預けやや身体を起こした状態ではあるものの、何もしていない事には変わりない。その胴体に跨る自分は傍から見たらどれ程の事をしているのだろうか。他に誰がいるわけでもない、気にせずともいい事が思考を離れなかった。
「大体お前、見えなくても殆ど分かるだろうが」
「そう思っていて引けないのだから君は本当に人がいいですよね」
彼の手がシャツの開いた胸元へと伸ばされた。肌に触れた指が冷たくて、一瞬びくりと震える。ガラスにでも触れるように、指先だけがすっと肌をなぞりまた落ちた。
「冷たいのが嫌ならさっさと脱ぎなさい」
僅かな畏怖と悦楽が心を満たすようだった。身体をずらしズボンを脱ぎ去る。そうした所で不意に手が引かれた。横たわっていた彼の横に並ぶように引き倒される。何事か分からずにいると唇に柔らかいものが押し当てられた。
「…ふっ、う…」
いつの間にか覆い被さるようにして彼が上にいた。白い髪が頬に触れている。その奥の紅い眼が、俄かに焦点の合致しない眼が此方を見ていた。それが全く悲しくないという事はない。しかしそれ以上にこのアルビノが綺麗だと思った。
「おま、やっぱり動けるんじゃないか…ッ」
「そりゃ動けますヨ。見えないだけですもん」
頭にきたところでどうしようもない。くいと顎を持ち上げられると間近で瞳を覗き込まれた。そうして動けないでいる内に両の足の間へ彼の手が滑り込む。
「君がもたもたしてるのがいけないんです」
「……ッ」
中心を握られ爪先まで筋肉が緊張した。膝をすり合わせるように動くと逆に掴まれ大きく押し広げられる。触れる空気の冷たさに思わず逃げ腰になった。
「許すと思います?」
「ひ、…あぁ……ッ」
腰に腕を回され引き寄せられた身体は汗ばんでいた。握られた其処も熱を帯び先走りを始めている中、朱く染まる胸の突起を親指で捏ねるように愛撫をされる。出来るだけ甘く浮いた声を出すまいときつく唇を結ぶが、それも今にも解けそうであった。
「…ぃ、……ッあ?」
下肢の間を蠢いていた指がその更に下へぬるりと滑り込んだ。指先からゆっくりと拒もうとするナカへと侵入したその異物感と痛みに眼が見開く。理性が飛びそうだった。
「は…、や…ぁ…」
「まだ…君も、痛い思いは嫌でしょう」
耳元に上の男の唇が近づき、その吐息にぞくりとする。馴染む毎に指を増やされた。暫く中を解すように指だけで乱され太ももの間が自らの欲で濡れた頃、それから漸く開放された。ぼうとした思考の中に立ち尽くしていると身体を反転させられ四つん這いの状態になる。ぼんやりとそれを認識した時には背後に熱く質量のあるものが押し当てられていた。
「力を抜きなさい鴉」
「ぇ……あ、……ッアァ!」
言葉に反応出来たのも束の間、身体を貫いたそれに膝がガクガクと振るえ崩れそうになる。慎重ささえ感じた愛撫とは打って変わり幾度と無く激しく突き立てられた。背中に彼の体温を感じ、彼の吐息を耳元に感じた。
「…ふ、……く…」
余り耳にする事のない切羽詰ったような彼の声に艶を感じ、自らも興奮するのが分かった。今の彼の顔を見たくなり、四つん這いの体勢がもどかしくなる。
「ブ、れ…く…ッ」
「何…デス?」
上手く言葉に出来ず、身体を大きく反らして彼の方を振り返った。肩口に顔を埋めていたその頬に手を触れ、自ら唇を重ねる。自分の行為に心底驚いたような顔をした彼に、此方が笑いそうになった。荒い息遣いの中でふっと空気が緩むのを感じた。
「積極的な君とは…珍しいですね…」
「別に…ッお前の…余裕のない顔を見たかっただけだ、」
「ふ…生意気です、よ」
「――ッ!」
繋がった状態のまま望みどおりに、とばかりに再び反転させられシーツに縫いとめられた。身体の中で、瞬間に奥を突かれて呻く。なかなか達する事を許されず、焦れた身体が意図せず揺れた。
「私の顔がよく見えますか?まぁ、余裕があればの話しですが」
「…ん、あ・・ぁ……ッブレ、イク…あ…」
額に張り付く髪が鬱陶しい。だが目の前で自らを突き上げ犯す男から滴る汗が、濡れた白髪が、酷く自分の欲情を煽った。今までこれ程彼を意識した事がない。自分も、彼の眼には以前からそのように映っていたのだろうか。
「考え事ですか?…余裕です、ね…っ」
臓器に響くような低音で囁かれ覚醒する。唇からは乱れた声が零れ続けていたのに、分離したように思考していた。火照った足首を掴まれ最奥を突かれる。抉るような揺さぶりに膨張し続けた悦楽が悲鳴を上げ始めた。喉を仰け反り、全身の震えに流される。
「あ…あぁ……ぃ、…ッァア!」
「―――ッ」
悲鳴にも似た嬌声が部屋に響くのと、自らの腹と中に欲が吐き出されるのを感じ、ふつと意識が途切れた。
「ギルバート君」
聞きなれた声に目蓋を瞬くとまだ薄暗い部屋が視界に入った。
「一応、礼拝にくらいは行きましょうか」
「…今から……?」
意味深な面持ちで彼は頷いた。信仰など持っていないだろうに、何故今から行くなどと言うのか。その疑問を率直にぶつければ意外にも直ぐに答えは返ってきた。
「神は人が安堵を得る為に創り出した偶像です。無力な人間より不確かで確実な存在をね。…少なくとも私はそう思い信じていない。…しかし私には時間がありません」
訊いて少々後悔した。この類の話をすれば、必ず『彼の期限』が突き付けられる。
「だから、私は『守る為に手伝ってもらう』ことにしたのですヨ」
「…何を…?」
彼は薄っすらと綺麗な笑みを浮かべ、言った。
「君の平穏を」
【Agnus die】