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- 2026/01/22(木) 05:31:26|
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*レイム×ケビン
白い肌に白い髪
彼は酷く空虚な男だと、そう思っていた
だから、彼の『赤』は
その生命を主張しているように見えた
【赤い傷】
深夜。レインズワース家の一室に響く怒号。
「っおい、やめろ!」
『彼』の包帯を替えに来たレイムは男の目から流れる赤を目の当たりにした。
それが血である事を認識するより早く、左目の空洞を抉るように爪を立てるその手を引き剥がす。
「!離せ…っ」
「もうやめろっ―こんな事をして何になる!」
もがく男の手がぴたりと止まる。
レイムは左目に巻かれた包帯に赤い染みが広がっていくのを見た。
その内に沈黙した男の口元が引き上がる。
そしてそれは自嘲するかのような笑い声を零した。
「何になる?そうだな…何にもならない、意味の無い事だ」
「おい―!」
彼は血の染みた包帯をむしり取った。
レイムの目の前に赤い空洞が広がり、思わす息をのむ。
「あぁ・・・どんなに足掻いた所でこの目も、過去も戻らない…だが―」
―それでも、己を憎まずにいられるだろうか?
男は今にも泣きそうに見えた。
だがその眼から零れるのは「赤」ばかりで、透明なものがその白い頬を伝う事は無い。
壁をつたってずるりと床に崩れた彼はただ床を見つめている。
そこにぽたりぽたりと、絨毯に落ちては消える水滴。
「包帯、替えるぞ」
「……」
抵抗しない彼を見て、レイムは当初の目的を思い出した。
「どこか…其処に座ってくれるか?」
取り敢えず座って貰いたいと、その後横になれる様にベッドの方を指差す。
黙って立ちあがった彼の脇を支え座らせた。
唯一スプリングの軋む音が、部屋の静寂を強調する様だった。
「痛かったら言ってくれ」
彼の前に立ち、目の位置にガーゼを当てて包帯を解く。
何を想っているのか彼は依然黙ったままで。
包帯の擦れる音しか鼓膜には届いてこない。
長い髪を引っ張らないように、ゆっくりと丁寧に巻いていく。
近くで見ると絹を想わせる髪だ。何故だか無意識に手が緊張を覚える。
「…どうかしたのか」
「…いや、別に」
心臓が跳ねた気がした。
「何でもない」
腕が立つだけあるのか、気配に敏い。
気付かれないようにと懸命に自身の心に働きかけた。
それでもやはり隠しきれなかったのか、
触れた男の髪が小刻みに揺れ始めた。
(わ、笑っているのか?)
表情を見ようと腰をかがめ掛けた所で、逆に下から此方を見上げられた。
「っ!」
「・・・変なヤツだな」
体温が急上昇を始め、何時もの冷静さを欠く。
「き、君の方こそ、失礼な奴だなっ」
彼が吹き出した。口元を押さえて、苦笑をかみ殺すように身を震わせている。
その光景に唖然とし、思わず巻きかけの包帯が手から零れ落ちた。
「「あ」」
ころころと広がってしまう包帯を拾おうとし、屈んだところで
同じく拾おうとした彼と頭がぶつかった。
ごち、と鈍い音がして衝撃にくらくらする頭をさすりながら相手に謝罪する。
仮にも怪我人だ。
「ぅ、す、すまない」
「いや…大丈夫だ」
先程よりも纏う空気が柔らかい。
「あ、」
衝撃のせいか、目のガーゼの下から赤い雫が一滴な流れている。
もう一度ガーゼを取り換え布で頬を汚す赤を拭おうと手を伸ばす。
彼の目前にレイムの手が近づく瞬間
「――ッ」
「え、」
一瞬彼が身を硬くした。だが次の瞬間には、複雑なな面持ちで下を見ている。
「すまない、触れるのは嫌か?」
「いや違う…、少し…驚いただけだ」
「…本人にやらせるのは気が引けるが、もし嫌だったら」
部屋を出ようかと逡巡するレイムの袖を彼は引き留めた。
「いい、…お前なら。頼む」
今、この瞬間の高鳴りも彼に聞こえてはいないだろうか
そんなそんな事を考えてしまう。
彼は酷く空虚だった
だが、恐らく今は違う
今、彼は確かに「此処」に存在している
【赤い傷】end
*レイブレ
*レイム目線で。
『彼』が血を吐いた。
『彼』の胸には刻印があった。
『彼』は後どれくらい、私の傍に居る?
【ひとり】
「オヤ、レイムさんじゃありませんカ」
廊下の向いからへらへらと笑う男が私に声をかけてきた。
毎度のことながら、もう少し締まりのある顔は出来んのかアイツは。
「ザ-クシーズ…お前自分の仕事は終わったんだろうな」
「…またまたレイムさんったら~お固いんですから」
「終わってないんだな?」
「そうは言ってませんヨ」
「…来い。見てやる」
「ちょ、ワタシこれから用が」
「嘘つけ」
逃げようとするブレイクの腕をつかみ、取り敢えず彼の部屋へ引きずっていった。
案の定、彼の机には白紙の書類が山積みだった。
「…おい」
「嫌だなレイムさん、ちゃんと後でやるつもりでしたヨ?」
「手伝ってやるから。さっさと片付けるぞ」
書類を半分に分け、机にブレイクと向かい合って座った。
ため息をつきながらも二人で書類にペンを走らせる。
黙々と作業する中、ちらりとザクスの顔を盗み見た。
体調は良さそうだ。
色が白いのは元々だから、今の肌の色は比較的安定していると言ってもいい。
「どうかしました?」
「いや、…今は大丈夫なんだな」
書類に目を戻し、さり気無く言ってみた。
彼は一瞬首を傾げたがすぐに「あぁ」と苦笑を浮かべた。
「あの時はすみませんでした」
「そう思うなら、あまり心配をかけるな」
「そうですネ~」
くすくすと笑う声。顔を上げれば赤に視線を囚われた。
脳裏に浮かぶあの時彼が吐いた血の赤。
消えればいいと思った。
あの赤は彼から命を奪うから。
でも、この赤は駄目だ。この赤は彼の命を灯しているから。
「…ザクス……?」
「私の時間はもうあまりありませんが、貴方の気を揉ませるのはワタシも心が痛みマス」
「そんな事は」
「ご心配なく。そう簡単にくたばってやるつもりは在りません」
何処からか出てきた飴の包みを開く彼は、どこか憂いを帯びた
目をしていた。つい話題を逸らそうと口が開いてしまった。
「…お前、ホントに友人を増やせ」
言ってから自分が墓穴を掘った事に気付いた。
「それこそ無意味ですよ。余計に気に病む人が増えるだけです」
「だがな、」
「それにワタシはレイムさんが居れば十分なんデスよ」
「……」
―お前には、もっと沢山の仲間がいて
―もっと沢山の仲間で支えていくのがいいと思ったんだ。
だが、私でいいと言うお前の言葉に満たされてしまった。
心の隅でお前の友人が増えない事を願った私は、
果たして神に許してもらえるだろうか。
【ひとり】end
*ブレイク目線。
「よく見ている」モノって、案外「見えていない」ものなのですよ
【Impulse】
私は「目覚めた」はずだった。
だが、色が、光が、認識されない。
「―何を寝ぼけている?」
嗚呼、やはりワタシは、「目覚めて」いるのですね―
シーツに包まりながら複数の退室する足音を聞く。
その中で一人だけ、部屋に留まった者がいた。
「おや、…君にバレるとは思いませんでしたヨ」
「・・・・・・」
「ねぇ、―レイムさん」
近づく足音は、確かに耳に馴染んだ彼のものだ。
ベッドの端が沈む。彼が座ったのか。
「ザクス」
「――?」
懐かしい呼び名。だが彼が何をしているのか、解らない。
「・・・本当に・・・視えていないのか・・・?」
(嗚呼、確かめていたのですね)
苦しそうな声。
ワタシはただ、苦笑する他無かった。
「その様ですネ」
「…そうか…」
「何、泣いてるんデス」
「泣いてない…」
「嘘おっしゃい」
彼の方へ手を伸ばす。が、少しずれたらしい。
耳元を掠めて髪に触れる感触がした。
触れた位置を頼りに、指先でその顔を柔くなぞる様にして彼に触れる。
レイムは黙ったまま目を閉じた。
(耳…頬、…鼻…あ、)
目蓋に触れた。少しだけ下にずらせば
指先に触れる温かい水滴の感触。
「ほら、言った通りデショウ」
「・・・・・・すまない・・・」
「何故謝るんですか」
彼は答えない。
けれどその答えは解りきっている事。
―本当に泣きたいのは、お前のはずだから
優しい彼は、きっとそう思っている。
温かい涙がその証拠。
雫の温もりを感じていた手は、彼の手によって包まれてしまった。
「…ワタシの寿命は、本当に残り少ないという事なのでしょうね」
「ザクス、」
「大丈夫ですヨ。投げやりになった訳じゃありませんカラ」
包む手をそっと外してばさりとシーツを頭から被り直す。
目元は隠し、再びレイムと向いあった。
「訊いてもいいデスカ?」
「…あぁ」
「貴方の瞳は、何色でしたかネェ」
「…は?」
「貴方の髪は、肌は…、身長は…これぐらいでしたっけ」
斜め上に首を上げてみる。
確かこれくらいの所に彼の顔はあったはずだ。
「ザクス」
「教えて下さい、レイムさん。覚えておきたいんですよ」
(ああ、いけませんネ)
喉の奥がひりひりする。
目の奥が熱い。
自分はちゃんと笑えているだろうか。
シーツを寄せる指が震えていた。
「…馬鹿が」
「――ッ」
シーツがむしり取られた。
「泣きたかったら、最初から素直に泣いたらどうだ」
目じりを拭われて、初めて気づいた。
首元に彼が腕を回して抱きしめられる。
その肩からは微かな振動が伝わって来ていた。
「貴方は、少々優し過ぎますヨ。レイムさん」
「うるさい。もう、黙ってろ…」
語尾が小さくなっていく彼の声にこの上ない愛しさを感じながら、
私はその優しい背を抱きしめていた。
きっと、きっと視えなくて悲しいのは今だけ。
だって今ほど、貴方を意識した事は無いのですから。
【Impluse】
*レイム→←ブレイク
*・流血表現アリ
爆ぜる高い金属音。
―硝子が割れた音―
違う、これは
『関係』が、壊れた音。
【fri-End-s】
「「カシャン」」
思わず肩を竦めたくなるような音が部屋に響いた。
「…何をやっているんだ貴様は」
「イエ、ちょっと目測を誤りまして」
今しがた入室した所の彼から指摘されたのは床へ放りだされたグラスの残骸だ。
ベッドの上から机に立て掛けてあった気がしたステッキを取ろうと手を伸ばしたところ、誤って置いてあったグラスに手を引っ掛けた。
幸い空だったものの当のグラスは見る影もない。
「だから慣れんうちは大人しくしておけと…」
「まあまあ、全盲では無い訳ですカラ」
床に転がる破片を拾おうとした所でレイムが駆け寄り、その手を取られた。
「阿呆かお前は。見えていない人間が触るな」
「…。皆さん過保護過ぎやしませんか?」
いいから、とベッドの上へ押し返され仕方なく手を引っ込めた。
両目が殆んどの視力を失うと言うのはいくら感覚が優れていたとてやはり不便な様だ。
「……」
カチャカチャという音を耳にしながら天井を仰ぐ。
申し訳ないとは思っているがこうしているより他にどうしようもない。
(どんな顔してますかネ)
見てやろうと思って起き上がりかけたが、ああ。そうでした、と思い直しベッドに沈む。
「何してるんだ」
「何でもないデスヨー」
気付いた彼がこちらを向く。が、軽く流す。
枕に顔を埋めて黙秘を決め込んだ。
「おいザクス――あぁ、切った」
「へ?」
レイムの一言にぱちっと目が開いた。
がばと起き上がって彼の手に触れるとぬるりとした液体。
手に持っていた破片で切ったらしい。
彼はポケットからハンカチを取り出した。
「大丈夫ですか」
「別にこれくらいは…いや、少し深かったか」
思いの外出血が多いらしい。
押さえる白い布がどんどん赤く染まっていった。
「…ザクス」
「?」
ボスンとシーツに沈む身体。
上から覆い被さってくる友人は指から
流れる血をシーツとブレイクの肌に滴らせながらその唇へ指を突き付けた。
「何です」
「お前の責任だろう」
「…え、ちょ」
「いいから」
あくまでも静かな声に、俄かに戦慄が走る。
仕方なく小さく舌を出して傷口をなぞった。
身体に返り血を浴びるよりも鮮明な鉄の味が口の中を染み渡り味覚を支配した。
「…、ふっ…ぅ」
その行為を続けていれば、唾液が溢れ始める。
血と混じったそれが糸を引きながらシーツに落ち、中心の赤い染みを作っていった。
彼の指が灯りに反射し何処か卑猥に光って見えた。
その指は舌の性感帯を刺激する様により奥へと侵入する。
「ッ…」
「唾液には消毒作用が有るらしいな」
息が苦しくなったが彼はそれに構う気は無いらしい。
いい加減口も疲れ、堪らず顔を逸らした。
噎せながら恨めし気に相手を見た、筈だったが彼は視界から消えていた。
「!」
唇に触れる柔い感触に驚き思わず身体が強張る。
消えたのではなく、近すぎて見えなかったのだ。
強く体重を掛けられたベッドが大きく軋む。
重なったその二つからは湿った音がし、鼓膜を刺激した。
「ン、…ッ…!」
突如向けられた下肢への刺激に心臓が高鳴った。
焦らす様に触れられる其処に意識が集中する。
開いている手で縋る様にレイムの腕を掴んだ。
「す、ストッ」
「止めていいのか?」
吐く息が荒くなる。
乱れた髪が肌に張り付き鬱陶しいと思った。
その間も彼の手は動きを止めない。
更に暫くするとその手は衣服に侵入し直に触れた。
「――ッ!?」
直接的な刺激に全身が震えあがる。
一気に火照り出した身体に汗が滲み始めた。
先程の緩い刺激とは違い強く扱きだす。
「…レイ、ムさ、…アッ…!」
太腿が痙攣し全身が心臓の様に一つ脈打つと弛緩した身体が彼の腕を離れた。
ベッドの浮き上がる感覚に覚醒する。
朧な視界の中に男の背中が映っていた。
「何処行くんデス」
「あぁ、ガラスを捨てに」
レイムが手にした袋の中で、カシャンと音が鳴る。
彼はそのまま扉の向こうへ姿を消した。
一人残った部屋で綺麗に直された衣服に気付く。
絨毯の上に、小さな硝子の破片が光って見えた。
「…バカですね…」
彼も、自分も。
ホントの事は何も言えない。
【fri-End-s】―end―
あの時切れたのは『友人』と、いうコトバ。