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- 2026/01/22(木) 07:01:24|
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*レイム→←ブレイク
*・流血表現アリ
爆ぜる高い金属音。
―硝子が割れた音―
違う、これは
『関係』が、壊れた音。
【fri-End-s】
「「カシャン」」
思わず肩を竦めたくなるような音が部屋に響いた。
「…何をやっているんだ貴様は」
「イエ、ちょっと目測を誤りまして」
今しがた入室した所の彼から指摘されたのは床へ放りだされたグラスの残骸だ。
ベッドの上から机に立て掛けてあった気がしたステッキを取ろうと手を伸ばしたところ、誤って置いてあったグラスに手を引っ掛けた。
幸い空だったものの当のグラスは見る影もない。
「だから慣れんうちは大人しくしておけと…」
「まあまあ、全盲では無い訳ですカラ」
床に転がる破片を拾おうとした所でレイムが駆け寄り、その手を取られた。
「阿呆かお前は。見えていない人間が触るな」
「…。皆さん過保護過ぎやしませんか?」
いいから、とベッドの上へ押し返され仕方なく手を引っ込めた。
両目が殆んどの視力を失うと言うのはいくら感覚が優れていたとてやはり不便な様だ。
「……」
カチャカチャという音を耳にしながら天井を仰ぐ。
申し訳ないとは思っているがこうしているより他にどうしようもない。
(どんな顔してますかネ)
見てやろうと思って起き上がりかけたが、ああ。そうでした、と思い直しベッドに沈む。
「何してるんだ」
「何でもないデスヨー」
気付いた彼がこちらを向く。が、軽く流す。
枕に顔を埋めて黙秘を決め込んだ。
「おいザクス――あぁ、切った」
「へ?」
レイムの一言にぱちっと目が開いた。
がばと起き上がって彼の手に触れるとぬるりとした液体。
手に持っていた破片で切ったらしい。
彼はポケットからハンカチを取り出した。
「大丈夫ですか」
「別にこれくらいは…いや、少し深かったか」
思いの外出血が多いらしい。
押さえる白い布がどんどん赤く染まっていった。
「…ザクス」
「?」
ボスンとシーツに沈む身体。
上から覆い被さってくる友人は指から
流れる血をシーツとブレイクの肌に滴らせながらその唇へ指を突き付けた。
「何です」
「お前の責任だろう」
「…え、ちょ」
「いいから」
あくまでも静かな声に、俄かに戦慄が走る。
仕方なく小さく舌を出して傷口をなぞった。
身体に返り血を浴びるよりも鮮明な鉄の味が口の中を染み渡り味覚を支配した。
「…、ふっ…ぅ」
その行為を続けていれば、唾液が溢れ始める。
血と混じったそれが糸を引きながらシーツに落ち、中心の赤い染みを作っていった。
彼の指が灯りに反射し何処か卑猥に光って見えた。
その指は舌の性感帯を刺激する様により奥へと侵入する。
「ッ…」
「唾液には消毒作用が有るらしいな」
息が苦しくなったが彼はそれに構う気は無いらしい。
いい加減口も疲れ、堪らず顔を逸らした。
噎せながら恨めし気に相手を見た、筈だったが彼は視界から消えていた。
「!」
唇に触れる柔い感触に驚き思わず身体が強張る。
消えたのではなく、近すぎて見えなかったのだ。
強く体重を掛けられたベッドが大きく軋む。
重なったその二つからは湿った音がし、鼓膜を刺激した。
「ン、…ッ…!」
突如向けられた下肢への刺激に心臓が高鳴った。
焦らす様に触れられる其処に意識が集中する。
開いている手で縋る様にレイムの腕を掴んだ。
「す、ストッ」
「止めていいのか?」
吐く息が荒くなる。
乱れた髪が肌に張り付き鬱陶しいと思った。
その間も彼の手は動きを止めない。
更に暫くするとその手は衣服に侵入し直に触れた。
「――ッ!?」
直接的な刺激に全身が震えあがる。
一気に火照り出した身体に汗が滲み始めた。
先程の緩い刺激とは違い強く扱きだす。
「…レイ、ムさ、…アッ…!」
太腿が痙攣し全身が心臓の様に一つ脈打つと弛緩した身体が彼の腕を離れた。
ベッドの浮き上がる感覚に覚醒する。
朧な視界の中に男の背中が映っていた。
「何処行くんデス」
「あぁ、ガラスを捨てに」
レイムが手にした袋の中で、カシャンと音が鳴る。
彼はそのまま扉の向こうへ姿を消した。
一人残った部屋で綺麗に直された衣服に気付く。
絨毯の上に、小さな硝子の破片が光って見えた。
「…バカですね…」
彼も、自分も。
ホントの事は何も言えない。
【fri-End-s】―end―
あの時切れたのは『友人』と、いうコトバ。