[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
- 2026/01/22(木) 07:04:42|
- |
- トラックバック(-) |
- コメント(-)
| 12 | 2026/01 | 02 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
*グレン×ジャック
しとしとしとしと。濡れた髪から雫が落ちる。
約束通り軽くシャワーを浴びて出ると、用意されていたシャツに袖を通した。
【rain】2
素足と分かる足音が扉の向こうに聞こえていた。手にしていたティーカップをテーブルに戻す。降りだした雨は止むことなく、寧ろ勢いを増して降り続いていた。
「グレン」
彼が戻ってきた。普段は三つ編にした長い金髪を下ろし一つに束ねている。だがやはり彼からはいつもの無邪気な様子は感じられなかった。口元は笑みを刻んでいるのに翡翠の目は何処か冷水の様でさえある。ふと本来の彼とは「此方」ではないか、と思ったがそれも確信が無かった。
「ちょっと爪を切ってもいいかな」
「長いのか?」
「うん、さっき気付いたんだ」
君の背中を傷つけたら大変だ、と彼はにやりと笑った。
「男の甲斐性か。気にする事は無い」
「そうはいかないよ」
棚の引き出しから小さな鋏を取りだした彼は高い金属音と共に爪を切り始めた。その後ろ姿を見、懐中時計を取り出し時間を見る。夜の8時を指す頃だった。
「久しぶりに聴いた」
「?あぁ、」
懐中時計からオルゴールのメロディがぽつりぽつりと流れていた。
「やっぱり、いい曲だ」
「職人の腕が良いから余計な」
「褒めても何も無いよ」
「そうか」
「勝者は愛情だから」
切り終えたらしい彼はまだ濡れている前髪をかきあげ振り向いた。上品に微笑んだ顔は何時もより(失礼だが)年相応に見える。
「…お前、わざと焦らしいるだろう」
「気付いた?」
ややあ、と彼は後ろ髪をかいて此方に抱きついて来た。その細い腰に手を回して引き寄せると猫の様に懐いてくる。濡れた髪が冷たかった。
「やはり性格が悪い」
「ふふ、」
憮然とした自分の目の前にある髪から石鹸の匂いが香る。其処に顔を埋めて息を吸う。抱きしめた身体が僅かに緊張したのが手に伝わった。彼をベッドの上に座らせる。上半身のシャツ以外は身に着けておらず、その左足は扇情的に立てられていた。
「…あ、ぁ……っ」
白い下肢の間に顔を埋めれば触れた皮膚から汗が滲んだ。それが自分の物なのか彼の物なのかは分からない。彼の手が髪を掴んでいた。きっと髪の絡まったその指先は白くなっているだろう。そんな事を脳の片隅で考えながら、その肌以上に濡れた彼の性器を舐める。舌先でなぞりわざと音を立てて唇で吸えばその身体は面白い様に震えた。か細くも艶のある吐息が彼の唇から零れて絶えない。
「ジャック」
顔を離し見上げると彼が此方に気付く。
絡んだ視線の先で、涙の滲んだ瞳に薄く笑みが刻まれた。
「ん…、…っ」
戯れる様なキスをした。舌を絡めながら開いたシャツの間から胸に手を這わす。お互いの息を奪いながら刺激を与えた身体は苦しげに身じろいだ。唇が離れると名残り惜しげな唾液の糸が二人の間を繋いで切れる。指で弄っていた胸の突起を、口に含んで甘く噛む。もうその身体は大分熱かった。
「う…ッ…!」
不意打ちで鎖骨をきつく吸う。白い肌に小さな鬱血痕が残った。所有者の居る証しだ。焦らす様な愛撫を繰り返し、指を再び下肢へと運ぶ。ひくりと震える彼が愛おしい。其処を濡らしていた彼と自分の体液を指に絡めて後膣をゆっくりと開いていった。背中に回された腕に力が入って来た。未だこの感覚には慣れないらしい。次第にその指にも力が籠り始め背中にチクりと小さな傷みが走る。上着越しだがやはり爪を切ってもらって良かったかもしれないと思った。
卑猥な水音が唯一静かな部屋に聞こえている。
彼の中に埋もれた指は大した抵抗もなく奥へと進み敏感な個所を突いた。一瞬の悲鳴のような高い声が上がり其処は一気に指を締めつけてくる。当の彼は、上体を横たえきつくシーツを握りしめていた。
「ァ…あっ、や…」
ベッドのシーツに彼の背が強く押し付けられ皺がより深く刻まれる。引っ掻くように中を指を抜き、其処に張り詰めた自身を押し当てた。反射的に一瞬逃げた彼の腰を引き寄せ一気に貫く。
「ぃ、アァッ!ヤ…ッ」
「嫌?本当に?」
少し意地の悪い言葉を掛けた。体の振動で自分の額にかかる髪から汗が落ちる。開かせていた足を掴みより奥への挿入する為片足の膝を折らせて抱いた。突き上げる度に上がる喘ぎ声は普段の彼からは想像がつかない艶やかさだ。束ねていた髪が解れよりそれを助長していく。
「ぐ、れん…、グレン…ッ!」
「ジャック」
名を呼ばれて合わせた瞳は一層涙に濡れていた。濡れた唇からは僅かに唾液が零れていて、彼が快楽の中に居る事を確認した。両手を伸ばし此方の頭を抱くように縋りつく彼は幼い子供の様でさえある。
「ァ…イ、く…ぁ……!」
肌がぶつかる音の間隔を縮めながら部屋に響く。そうしながら先程付けた鬱血痕に思い切り歯を立てた。
「ヒ、アァ…ッ!」
「……ッ」
自分は彼のナカに、彼は此方の腹にその欲を吐き出した。彼の身体は大きく反り、その太腿は小刻みな痙攣を繰り返し続ける。暫く息の上った状態が収まる事は無かった。しかしその間にシーツの上で絡めた指も、暫く外される事が無かった。
「さっき私が、焦らしている事に君は気付いたけど」
横になっていたベッドの上でおもむろに彼が口を開いた。
「本当はもう一つ、気付いていない事がある」
「何だ?」
問いかけるがしかし彼は黙ったまま目を細めるばかりだ。
「ヒントは無しか」
「すまない。やっぱり気にしないでくれ」
ひらひらと手を振って彼は背を向けてしまった。そう言われて気にならない筈も無く、体を起こし彼の頬に手を添え振り向かせた。やはり、今日の彼は少し様子が変だった。そう口にすると、くしゃりと彼は笑った。いつもの彼の顔だった。
「うん。そうかもね」
「…そうか」
顔を近づけると、彼は黙って瞳を閉じる。
熱くなっていたはずの彼の唇が、また少し冷えている気がした。
【rain】2
気付いて欲しくて、気付いて欲しく無い感情がある。
そんな少女めいた感傷を、やはり私は知って欲しくないのだ。